浴室リフォームに使える補助金制度とは?工事対象や条件を解説!

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 浴室のリフォームは快適性を高める一方で、数十万円から百万円以上の費用がかかるため躊躇してしまう方も少なくありません。

 しかし、補助金制度を活用すれば自己負担を抑えつつ、省エネ性やバリアフリー性を向上させることが可能です。2025年度に利用できる補助金・助成金制度を紹介しますので、リフォームを検討中の方はチェックしてみてください。

【2025年】浴室のリフォームが対象となる補助金・助成金制度

 以下の補助金制度は、浴室のリフォームが対象となる場合があり、制度によって補助金内容や対象工事が異なるため、リフォーム内容に応じて適切な補助金を選ぶ必要があります。具体的な内容について項目ごとに解説します。

  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 居宅介護住宅改修費
  • 自治体ごとの補助金・助成金制度

子育てグリーン住宅支援事業

 子育てグリーン住宅支援事業は、エネルギーや物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者世帯を対象とした補助金制度です。名称に「子育て」とありますが、要件を満たせばそのほかの世帯も利用できます。

要件1.グリーン住宅支援事業者と工事請負契約などを締結し、リフォーム工事をする方
2.リフォームする住宅の所有者や賃借人などであること
必須工事1.開口部の断熱改修
2.駆体の断熱改修
3.エコ住宅設備の設置
※2つ以上の必須工事を行った場合に補助対象となる
任意工事1.子育て対応改修
2.防災性向上改修
3.バリアフリー改修
4.空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
補助金額Sタイプ:必須工事1~3のすべて実施(上限60万円/戸)
Aタイプ:必須工事1~3のうち、いずれか2つを実施(上限40万円/戸)
参考:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業」

 浴室のリフォームで子育てグリーン住宅支援事業を利用する場合は、必須工事1~3のうち2つ以上を行う必要があります。「1.開口部の断熱改修」は断熱性を高める内窓設置、「3.エコ住宅設備の設置」は高効率給湯器の導入、高断熱浴槽の設置などが該当します。

 こちらの制度は申請期限が2025年12月31日までとなっていますが、予算上限(100%)に達し次第、交付申請の受付が終了されるため、早めの相談をおすすめします。

 また、併用が可能な「給湯省エネ2025事業」ついても紹介いたします。

給湯省エネ2025事業

 本事業は、高効率給湯器の導入を促進することを目的とした補助金制度です。「給湯省エネ事業者」と契約し、一定の性能を満たす高効率給湯器を導入することで補助金を利用できます。

要件1.対象機器を設置する住宅の所有者や賃借人などであること
2.給湯省エネ事業者と契約し、対象機器である高効率給湯器を導入すること
対象工事1.ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
2.電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器)
3.家庭用燃料電池(エネファーム)
補助金額1.ヒートポンプ給湯器:A(4万円/台)・B(6万円/台)・両方(7万円/台)
2.電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器:A(5万円/台)・B(5万円/台)・両方(7万円/台)
3.家庭用燃料電池:C(4万円/台)
※A=天気や日射量の予報と連動し、昼間に沸き上げを行えるインターネット接続機能を有する給湯器であること。
※B=CO2排出量が基準の機種と比較して5%以上少なく、2025年度の目標基準値+0.2の性能を持つか、おひさまエコキュートであること。
参考:給湯省エネ2025事業「加算要件・補助額」

 補助額は導入する機器の種類や性能によって異なり、基本額+加算額で最大20万円が支給されます。さらに、既存の給湯器を撤去する場合は、工事内容が該当すれば別途補助金が支給されるため、よりお得にリフォームすることが可能です。

 ただし本制度も前述のとおり、年末にかけての駆け込み申請で予算上限(100%)に到達し、交付申請の受付が早期終了する可能性があります。制度利用を検討される場合は、早めに申請する必要があります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

 長期優良住宅化リフォーム推進事業は、リフォームや改修によって住宅の性能を高めることを目的とした制度です。木造住宅において、タイル張りの在来の浴室をユニットバスに交換する工事は「構造躯体等の劣化対策」の一部として補助の対象になる場合があり、ユニットバスへの交換や高断熱浴槽の設置なども対象となるため、一定の条件を満たせば対象工事費の3分の1が補助されます。

 ただし、前述のとおり住宅の性能向上を目的とした制度であるため、ユニットバスの交換工事のみを実施する場合は本事業の補助対象外となり、検討中の改修工事が補助対象であるかは確認が必要です。

参考:国土交通省「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」

居宅介護住宅改修費

 居宅介護住宅改修費では、居住している住宅に手すりの設置や段差の解消などを行った場合、介護保険から給付を受けることができる制度です。

要件1.要介護認定(要支援1~2、または要介護1~5)を受けた人
2.介護保険被保険者証に記載されている住所の住宅をリフォームする場合
※1,2両方を満たす必要があります。
対象工事1.浴室、トイレ、廊下、階段、玄関まわりなどへの手すり設置
2.浴室の床のかさ上げ、段差解消により敷居を平らにする、スロープの設置など
3.滑り止めおよび円滑な移動のため床材の変更
4.扉の取り替え(開き戸・引き戸・折り戸・ドアノブ交換など)
5.洋式便座などへ便器の取り替え
6.上記の住宅改修に付帯する改修工事(下地補強、給排水設備工事、壁、柱、床材の変更など)
補助金額最大20万円までの工事に対し、自己負担は1~3割(支給上限:18万円)
参考:厚生労働省「介護保険における住宅改修」

 ご家族が要介護認定をされている方は、改修工事の自己負担額を1~3割にできます。主にバリアフリー化の改修工事が対象となりますが、浴室リフォームで利用できるものも多いため制度をうまく活用しましょう。

 なお、対象となるのは介護保険の認定で「要介護認定を受けていること」「介護保険証に記載されている住所に住宅があること」という、2つの条件を満たす必要があります。

自治体ごとの補助金・助成金制度

 お住まいの自治体によっては、個別にバリアフリーリフォームが対象となる補助金・助成金制度があります。

 対象となる工事内容や浴室の仕様、申請手続き方法、受けられる補助・助成金額などは自治体ごとに異なり、中には申請後に交付決定されてからでなければ着工できないものもあります。

 また、お住まいの地域にはどのような制度があるのか、現在申請を受け付けているのかなど、リフォーム会社に相談してみるのも1つの手段です。

参考

狛江市「高齢者自立支援住宅改修費給付」

川崎市「高齢者住宅改造費助成事業」

相模原市「住宅設備改善費の助成」

厚木市「厚木市セーフティ住宅支援事業」

秦野市「住宅改修・福祉用具購入」

浴室リフォームを依頼するリフォーム会社の見つけ方

 浴室リフォームする場合、水回りの施工実績が豊富なリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。ただし、補助金・助成金制度は、登録事業者でなければ利用申請ができないことがあります。

 これから紹介する業者の見つけ方を参考にしながら、信頼できるリフォーム業者を見つけましょう。

補助金制度の登録事業者を探す

 リフォーム会社を探す方法として、ポータルサイトや一括見積もりサイトの活用、ハウスメーカーのリフォーム部門などが挙げられます。また、補助金や自治体ごとの公式サイトで既に登録している事業者の中から探すことも有効な方法です。

 例として、子育てグリーン住宅支援事業の登録事業者から探す流れを解説します。

  1. 子育てグリーン住宅支援事業」のホームページを開く
  2. 一般消費者の方へという項目の中にある、「補助金の相談ができる事業者の検索」という項目をクリックする
  3. 検索条件に「住宅の所在地」と「相談したい内容」を選んで検索ボタンを押す
  4. 登録事業者から希望条件に合った業者を選ぶ

 上記の方法で補助金制度を利用できるリフォーム会社を探すことができます。登録事業者はリフォームで利用できる補助金制度について精通しているため、お風呂のリフォームを安心して相談できるでしょう。

希望するリフォームの実績を確認する

 一言にリフォーム会社と言っても、会社によって得意分野は異なります。そのため、これまでの施工実績から希望する浴室リフォームが実現できるのかチェックしましょう。リフォーム会社のチェックポイントは以下の通りです。

  • リフォーム会社としての実績や口コミ
  • 浴室フォームの対応事例
  • 会社の得意なジャンル

 特に、バリアフリーリフォームを考えている場合は、介護保険や自治体の補助金にも関係します。浴室に手すりを設置するなど、バリアフリー改修に関連する工事を依頼したい場合は、申請手続きのことも含めて相談する必要があります。

見積書の項目を確認する

 リフォーム会社が提出する見積書の内容は、信頼できる業者か見分けるヒントになります。まず、見積書が掲示されたら、記載されている項目に注目しましょう。

 中には「給排水工事一式」「浴室工事一式」など、一式で工事内容をまとめていて、詳細が記載されていないケースもありますが、工事内容は不明瞭なため要注意です。一方で、見積書に工事の項目ごとの費用が明確に記載されている、品番や単価が記載されていて担当者がわかりやすく説明してくれるリフォーム会社は信頼できるでしょう。

 このように、浴室リフォームでも見積書を確認するときは金額だけでなく、記載されている項目の内容をよく確認することが大切です。

 また、補助金や助成金には細かく適用条件が設けられています。所定の書類や資料、図面が必要となることもあり、工事の契約前から準備しなければいけないことも少なくありません。早めの検討段階からリフォーム会社に相談することおすすめします。


※本コラムは補助金・助成金の給付を確約するものではありません。
※各補助金等は、2025年8月1日時点の情報です。

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